「本当に困っているのは誰か?」と問う正義。大西連さんと「保護なめんな」ジャンパー問題について話したこと。
1/17に小田原市の「保護なめんなジャンパー」問題が発覚してから1週間。このテーマについてもやいの大西連さんと話したいと思い、一昨日の晩にお会いしてFacebook Liveで1時間半ほど話しました。
大西さんはNPO法人もやいの代表で、名著『すぐそばにある「貧困」』の著者でもあります。今回の件についてとてもよくまとまった記事も書かれています。
そして、実際のFacebook Liveのリンクがこちらです。ちなみに彼とのLiveは2回目で、1回目のリンクはこちらです。
会話のなかでいくつか印象に残っているポイントをメモしておきます(順不同)。ジャンパー問題だけではなく、その周囲にあるいろいろな論点について話しました。
- 生活保護のソーシャルワーカーという仕事とその現状
- 生活保護の「不正受給」についての現状
- 1946年制定の旧生活保護法に入っていた3つの除外規定(怠惰・素行不良・親族が扶養可能であること)
- 生活保護批判(バッシング)と今回の行政批判との位置関係
- 批判されているのは不正受給なのか、それとも生活保護なのか
- 生活保護受給者への視線と犯罪者への視線
- 尊重されるべき「普遍的価値」と、現状の経済・財政や自らの体験を背景にした「国民感情」のミスマッチ(異なる「正義」のすれ違い)
- そのなかで「本当に困っているのは誰か?」という問い(≒疑い)が常に呼び出されてしまう構造(生活保護だけでなく、医療費や年金を含めたあらゆる社会支出との関係で呼び出されてきた)
これ以外にも基礎的なところからいろいろなことを話したので、興味のある方はぜひ見てみてください。自分自身、こうした会話を積み重ねることで少しずつ考えを深めていきたいと思っています。改めて動画のリンクはこちら。
大西さんとはこれからもいろいろとお話していきたいなと思っているので、関心ある方は引き続きチェックいただければ幸いです。 大西さんの著書や柏木ハルコさんの漫画もオススメです。関連するテーマについては私もこのブログでいろいろと書いてきているので、そちらもぜひ。
参考文献
関連過去エントリ
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日本の貧困は「降格する貧困」に近づいている。セルジュ・ポーガム『貧困の基本形態』講演から。 - HIROKIM BLOG / 望月優大の日記
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「日本が直面する『降格する貧困』」TOKYO FM「TIME LINE」出演時のコメント。 - HIROKIM BLOG / 望月優大の日記
プロフィール
望月優大(もちづきひろき)
慶應義塾大学法学部政治学科、
Twitter @hirokim21
Facebook hiroki.mochizuki