HIROKIM BLOG / 望月優大の日記

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雑感:2015年フランス州議会選挙

フランスの州議会選挙第2ラウンド=決選投票で移民排斥を唱える極右政党・国民戦線 Front National/FN が惨敗。第1ラウンドでは国民戦線が6つの州でトップだったが、投票率の全般的な上昇や社会党による二つの地域での候補者取り下げ=右派連合との選挙協力によって、押し戻した。

 

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しかし、Le Mondeによれば、FNの得票数はこの第2ラウンドで史上最多の645万票まで伸長。これまでの最多得票は2012年の大統領選第1ラウンドで642万票だったが、当時の投票率が約80%今回が60%弱であることを考えると、642万→645万という数字以上に伸びていることがわかる。

 

フランスの有権者は5000万いないので、顕在化している投票者だけで10%を越えている。先月の同時多発テロでFNの勢いは強まったものの、FNの伸長は短期的ではない中長期的なトレンドであることが怖い。その背景には、移民/難民問題が、国民=Nationの境界線を前提として作動する近代的なリベラリズムにとって大きなつまずきの石となっているという構造的な問題がある。

 

どの国でも、経済の失速とグローバル化によって政策的なフリーハンドを失った政府は、こうした問題に直面して国民の支持を日増しに得づらくなっている。今回は何とか押し戻したが、現在FNを通じて顕在化している問題自体を構造的に解決することは難しい。この問題自体を咀嚼し吸収しきれるかは社会と政治の成熟度が追いつくかにかかっている。すでに長期にわたる経済の停滞やそれによる社会保障機能の低下に悩まされる日本にとってもまったく他人事ではない。