望月優大のブログ

見えているものを見えるようにする。

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

家族主義的福祉からの脱出。17年前にエスピン=アンデルセンが日本について語ったこと。

イエスタ・エスピン=アンデルセンという福祉国家論(正確には福祉レジーム論)の大家がいる。デンマーク人の学者で、20世紀の福祉レジームを「社会民主主義的」(北欧諸国等)、「保守主義的」(ヨーロッパ大陸諸国等)、「自由主義的」(アングロ・サク…

アラブの春以後の世界。マフマルバフ『独裁者と小さな孫』が映すもの。

先日の連休中に下高井戸に行った。下高井戸シネマに行くためだ。下高井戸シネマは公開から少し時間が経った単館系の映画を多く扱っていて、新宿や渋谷の映画館でやっているのを見逃してしまったときにお世話になっている。 今回のお目当てはイラン出身の映画…

「意識高い」を再定義したうえで称揚したい

ここ数年で人をバカにしたり茶化したりするための言葉になってしまった「意識高い」。あいつも「意識高い」し、こいつも「意識高い」。どいつもこいつも「意識高い」。とはいえ「意識高い」人が世の中に少ないほうがいいのか?と問われるとなんとなく首をか…

モチベーションは0か100。復活後のLIBROがかっこ良すぎる。(※本屋じゃなくてラッパーのほうです)

90年代から活動を開始した老舗トラックメーカー兼ラッパーのLIBRO。しばらく潜伏気味だったので、ある種伝説的な存在ではあったのだけれど、2015年に大復活。しかも、その後は1年で3枚アルバムを出すという圧巻の働きぶり。最近改めてそれらの音源をまとめ…

自分の頭で安全保障を考える。井上達夫『憲法の涙』を読んで。

憲法が注目を集めている。直接的には、現政権による憲法九条の解釈改憲とそれに対する国会前デモを含む広範な批判、そして来る参院選の結果如何では自民党が視野に入れる憲法改正の現実味がいや増すという状況がある。 さて、いわゆる安保法制への批判の文脈…

根本的で、予期できなかった出来事の証人。5回目の3.11に寄せて。

2016年3月1日仕事から家に帰ってテレビをつけると、5年前に現地で津波を経験し、いまだその苦しみと付き合い続けている青年についての特集が流れていた。雁部那由多さん、いま高校1年生で当時は小学校5年生。そのとき自分が遭遇してしまった経験を自分以…

デモから政党へ、当事者から代弁者へ。「保育園落ちたの私だ」に寄せて。

昨日国会前でデモがあった。はてな匿名ダイアリーの「保育園落ちた日本死ね!!!」という匿名の投稿に対して、国会で首相を中心に「それ誰が書いたの」といった趣旨の発言があった。それに対して多くの「当事者」たちが「それは私だ!」と国会前に集まった…

名前を公募する前にコンセプトを固めてほしい(切実)

がんばってほしいと思っているからこそあえてまじめに書きますよ。。。 野合して数を増やしたくなる気持ちもわかります。夏の参院選が迫っていて、いまのままでは確実に勝てない。でも、野合だってことがあからさまだからこそ、政策のコンセプトをどこまです…