読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

HIROKIM BLOG / 望月優大の日記

見えているものを見えるようにする。

すべての若者たちへ。ミシェル・オバマ最後のメッセージ。

ミシェル・オバマ大統領夫人の最後のスピーチがとても素晴らしかったので、その後半部分、若者たちへのメッセージの部分を翻訳してご紹介します。舞台は1/6にホワイトハウスで行われた全米スクールカウンセラー・オブ・ザ・イヤーの授賞式です。英語全文はこちらに。

f:id:hirokim21:20170108143617p:plain

ここから翻訳です。いくつかの見出しは私がつけたものです。

生い立ちや社会的地位に関係なく、あなたには居場所がある

私がホワイトハウスでの時間を終えるにあたって、ファーストレディとしての最後の公式の談話を通じて、若者たちに贈る事ができるこれ以上のメッセージはありません。この部屋にいる、そしてこの動画を観ているすべての若者たちへ、この国はあなたに属していると知ってください。これまでの生い立ちや社会的な地位には関係なく、あなたたちすべてにです。あなたやあなたの両親が移民でも、あなたは誇るべきアメリカの伝統の一部だと知ってください。新しい文化、才能、アイデアの流入、どの世代においても、それこそが私たちを地球上で最も素晴らしい国に作り上げてきたものです。

もしあなたの家族が多くのお金を持っていなくても、この国では私や私の夫を含む多くの人々がとても少ないお金とともに出発したということを忘れないでください。よく働き、良い教育を受けさえすれば、なんでも可能です。大統領になることだってできるのです。それがアメリカンドリームというものです。

あなたが信仰の人であったなら、宗教の多様性がアメリカの偉大な伝統であることも知ってください。実際それこそが最初の人々がこの国に来た理由だったのです。自由に信じるために。あなたがイスラム教徒であろうと、キリスト教徒、ユダヤ教徒、ヒンドゥー教徒、シーク教徒であろうと、これらの宗教は私たちの若者に対して正義と同情、そして正直さを教えています。だからこそ若者たちには誇りをもってそれらの価値を学び実践し続けてほしい。私たちの栄誉ある多様性、すなわち信仰、肌の色、信条の多様性、それは私たちが私たちであることに対しての脅威ではありません。それこそが私たちを私たちたらしめているものなのです。若者たちへ、他人が何と言おうとあなたという存在が大切でないなどと思ってはいけません。私たちのアメリカという物語に居場所がないなどと思ってはいけません。なぜならあなたは大切だからです。居場所があるからです。そして、あなたはあなた自身である権利を持っているのです。

権利と自由は毎日毎日獲得し続けなければならない

ただ、このこともはっきり言っておきます。この権利はただあなたに手渡されているわけではない。違います。この権利は毎日毎日獲得し続けなければならないものなのです。自由を当然のものと思ってはいけません。あなたの前の世代と同じように、あなたも自由を守るための自分たちの役割を果たさなければいけません。そして、それはまさに今、あなたが若いうちから始まるのです。

いまこの瞬間から、あなたは自分自身の声をこの国全体の議論に加えるための準備を始めなければいけないのです。あなたは市民として知識をもち関与できるように準備をしなければいけません。私たちの誇るべきアメリカ的な価値のために奉仕し、導き、そして立ち上がるために。日々の暮らしのなかでそれらの価値を大切にするために。それは、可能なかぎり最高の教育を受けることが、あなたが批判的に思考することを可能にし、自分自身を明確に表明することを可能にし、そして良い仕事を得て自分自身と家族を支えることを可能にし、コミュニティのなかのポジティブな力であることを可能にするということなのです。

あなたがこれから何かの障害に直面したらーー保証します。必ず直面します。あなたたちの多くがすでに直面しているようにーーもし困難に直面して、あきらめることを考え始めたら、私の夫や私が話してきたことを思い出してほしい。私たちがほとんど10年も前にこの旅路を始めたころから話してきたことを。このホワイトハウスのなかで、そして私たちの人生のすべての瞬間において私たちを動かしてきたものを。それは希望の力です。あなたがそのために働き、戦うつもりがあるのならば、より良いことはいつだって可能であるという信念です。

希望の力、どんな若者に対してもあきらめない

希望の力に対する私たちの根本的な信念が疑いや分断の声を乗り越えることを可能にしてきました。私たちが自らの人生やこの国の一生において直面してきた怒りや恐怖の声を乗り越えることを可能にしてきたのです。私たちの希望は、他者が私たちに課すどんな制限があっても、私たちが十分に働き、私たち自身を信頼すれば、私たちは私たちが夢見るどんなものにもなれるということです。それは、人々が私たちが真実にそうであるところを見るときには、おそらく、ただおそらくですが、彼らも自らありうる最高の自分自身に変わっていこうとするだろうという希望なのです。

これこそがカイラ(※)のように自分自身の可能性を探求し、それを世界と共有しようと戦う生徒たちの希望です。それこそがテリ(※)のようなスクールカウンセラーたち、生徒たちのあらゆる一歩を導き、どんな若者に対してもあきらめようとしない、ここにいるすべての人たちの希望なのです。そして、私の父のような人々の希望、市の水処理施設で毎日働き、いつか自分の子供たちが大学に行き、彼自身は夢にさえ見なかったような機会を手にすることへの希望なのです。(※テリは全米スクールカウンセラーオブザイヤーの受賞者、カイラはその教え子)

それは私たちすべてが、政治家であれ、親であれ、牧師であれ、私たちのすべてが若者たちに与えなければいけない希望なのです。それこそが毎日この国を前進させているもの、未来に対する私たちの希望とその希望によって鼓舞される大変な仕事だからです。

恐れずに、教育の力で、あなたの無限の可能性に価する国をつくってほしい

これがファーストレディとしての若者たちへの最後のメッセージです。シンプルです。私は私たちの若者に彼らが大切な存在だと知ってほしい。居場所があるということを知ってほしい。だから恐れないで。若者たち、私の声が聴こえる?恐れないで。フォーカスすること、ブレないこと、希望を捨てないこと、力を備えること(Be focused. Be determined. Be hopeful. Be empowered.)。良い教育であなた自身に力を備えてほしい。そしてそこから飛び出して、その教育の力を使って、あなたの無限の可能性に価する国をつくってほしい。希望をもった見本になってください。決して恐怖ではなく。そして、私はあなたとともにいます、私の残りの人生をかけてあなたを応援し、あなたを支えるために働きます、そのことを知っていてください。

そして、ここにいるすべての人々が、この国のすべての教育者たち、支持者たちが、日々心を尽くして私たちの若者たちを引き上げるために働いているということを私は知っています。私はあなたたちすべての情熱と次世代のための大変な仕事に対する献身に感謝します。そして、私はファーストレディとしての私の時間を終えるのに、あなたたちとともに祝福する以上の機会を考えることはできません。

だから、シンプルにありがとうと言って今日の話を終わりたいと思います。私たちの子どもたち、そしてこの国のためにあなたたちがしてくれるすべてのことに対して。あなたたちのファーストレディであることは私の人生で最も偉大な栄誉でした。私も、あなたたちにとっての誇りであれたらと願っています。

(※翻訳箇所は13:00ごろから最後までの部分です。"And as I end my time in the White House..."から。ぜひ動画も見ていただけたらと思います。)

プロフィール

望月優大(もちづきひろき) 

f:id:hirokim21:20160904190326j:image
慶應義塾大学法学部政治学科、東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了(ミシェル・フーコーの統治性論/新自由主義論)。経済産業省、Googleなどを経て、現在はIT企業でNPO支援等を担当。関心領域は社会問題、社会政策、政治文化、民主主義など。趣味はカレー、ヒップホップ、山登り。1985年埼玉県生まれ。
Twitter @hirokim21
Facebook hiroki.mochizuki

関連エントリ