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HIROKIM BLOG / 望月優大の日記

見えているものを見えるようにする。

パナマ文書問題を見る視点② 底辺への競争

一昨日パナマ文書問題を考える前提として、タックスヘイブン問題の構造を簡単にまとめた。そこでは、資本のグローバルな還流に対する国家権力の徴税能力の限界ということを書いたのだが、国家が自らの徴税能力を強化する(例えば移転価格税制を取り入れる)…

パナマ文書問題を見る視点

パナマ文書問題は、話の前提としてタックスヘイブン問題の構造がわからないと理解できないと思うので簡単にまとめる。基本的な知識は志賀櫻『タックス・ヘイブン』を読むことによって得られる。 タックスヘイブン問題は、国家権力の徴税能力の限界という問題…

家族主義的福祉からの脱出。17年前にエスピン=アンデルセンが日本について語ったこと。

イエスタ・エスピン=アンデルセンという福祉国家論(正確には福祉レジーム論)の大家がいる。デンマーク人の学者で、20世紀の福祉レジームを「社会民主主義的」(北欧諸国等)、「保守主義的」(ヨーロッパ大陸諸国等)、「自由主義的」(アングロ・サク…

アラブの春以後の世界。マフマルバフ『独裁者と小さな孫』が映すもの。

先日の連休中に下高井戸に行った。下高井戸シネマに行くためだ。下高井戸シネマは公開から少し時間が経った単館系の映画を多く扱っていて、新宿や渋谷の映画館でやっているのを見逃してしまったときにお世話になっている。 今回のお目当てはイラン出身の映画…

自分の頭で安全保障を考える。井上達夫『憲法の涙』を読んで。

憲法が注目を集めている。直接的には、現政権による憲法九条の解釈改憲とそれに対する国会前デモを含む広範な批判、そして来る参院選の結果如何では自民党が視野に入れる憲法改正の現実味がいや増すという状況がある。 さて、いわゆる安保法制への批判の文脈…

デモから政党へ、当事者から代弁者へ。「保育園落ちたの私だ」に寄せて。

昨日国会前でデモがあった。はてな匿名ダイアリーの「保育園落ちた日本死ね!!!」という匿名の投稿に対して、国会で首相を中心に「それ誰が書いたの」といった趣旨の発言があった。それに対して多くの「当事者」たちが「それは私だ!」と国会前に集まった…

名前を公募する前にコンセプトを固めてほしい(切実)

がんばってほしいと思っているからこそあえてまじめに書きますよ。。。 野合して数を増やしたくなる気持ちもわかります。夏の参院選が迫っていて、いまのままでは確実に勝てない。でも、野合だってことがあからさまだからこそ、政策のコンセプトをどこまです…

雑感:2015年フランス州議会選挙

フランスの州議会選挙第2ラウンド=決選投票で移民排斥を唱える極右政党・国民戦線 Front National/FN が惨敗。第1ラウンドでは国民戦線が6つの州でトップだったが、投票率の全般的な上昇や社会党による二つの地域での候補者取り下げ=右派連合との選挙協…

一億総活躍的な言葉遣いについて

一億総活躍担当相という役職が設けられたらしい。どんな役職なのか、詳しく知らない。ただ、またか、という気持ちである。 英訳を見ると、一億というのは全国民の比喩であるようだ。Minister in Charge of Promoting Dynamic Engagement of All Citizensだそ…

大竹弘二+國分功一郎『統治新論』を読んだ

民主主義の意味を再考させる良書 統治新論 民主主義のマネジメント (atプラス叢書) 作者: 大竹弘二,國分功一郎 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2015/01/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る シュミット研究者の大竹先生と、スピノザ…

池内恵『イスラーム国の衝撃』を読んだ

Facebookで日々迫力ある投稿をされている池内恵先生の新著。イスラーム国だけでなく、アル=カーイダに連なるグローバル・ジハードの系譜も含めてわかりやすく整理されており、今読むべき本だと思います。おすすめします。 イスラーム国の衝撃 (文春新書) 作…

フランスのテロ事件について考えた

「テロとの戦争」 シャルリー・エブド紙へのテロ事件について考えていることを書いておこうと思います。風刺画の中身そのもの及びそれに対する公的な規制の是非については措くとして、今回のテロ事件を機に改めて現代社会における自由と安全のねじれた関係に…