HIROKIM BLOG / 望月優大の日記

見えているものを見えるようにする。

映画

3つの薬物中毒に侵された街(『ローサは密告された』ブリランテ・メンドーサ)

もしまだ観ていなかったらこの映画を観てほしい。きっと圧倒されるはずだから。 ブリランテ・メンドーサ監督の『ローサは密告された』はフィリピンの日常に深く根付いた麻薬と人々との関わりを描く。登場人物がすべて実在するかのように感じられるほどにリア…

ケン・ローチ『わたしは、ダニエル・ブレイク』をすべての人に観てほしい。

ケン・ローチ監督の『わたしは、ダニエル・ブレイク』(I, Daniel Blake)を二度観た。一度目は公開直後に。二度目はつい先ほど。感じたことを書いていく。 「人生は変えられる。隣の誰かを助けるだけで。」「涙と感動の最高傑作」 こうした言葉には違和感を…

『サウルの息子』とは誰か。死の大量処理という単純労働のあとで。

先週末、新宿のシネマカリテで『サウルの息子』という傑作を観た。 描かれるのは、1944年10月のアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所とそこに収容されるユダヤ人たち。特にサウル・アウスランダーというハンガリー出身のユダヤ人、彼の顔が至近距離のカメ…

アラブの春以後の世界。マフマルバフ『独裁者と小さな孫』が映すもの。

先日の連休中に下高井戸に行った。下高井戸シネマに行くためだ。下高井戸シネマは公開から少し時間が経った単館系の映画を多く扱っていて、新宿や渋谷の映画館でやっているのを見逃してしまったときにお世話になっている。 今回のお目当てはイラン出身の映画…